「ファラオの密室」は、古代エジプトを舞台にした異色のミステリーです。歴史ミステリーが好きな人だけでなく、普段ミステリーを読まない人にもおすすめできる一冊でした。
| タイトル | ファラオの密室 |
| 作者 | 白川尚史 |
| 出版社 | 宝島社 |
読み始めた理由
次女が「これは面白いから是非読んで」と勧めてくれました。表紙は力強い目をした女の子の正面の顔。女の子とファラオがあまり結びつかなかったけれど、考古学が舞台のミステリーかな?くらいの感覚で読み始めました。
概要
古代エジプトで起きた、不可解な事件。神を信じる民衆と、国を守る為に動き出す人たち。現代日本とは大きく違う死生観、文化の中で起こる物語が加速度的にページを進めさせます。
ネタバレ無し感想
最後まで読んで良かった。と思わせる良書でした。最初は現代ものだと思ってページを開いたのですが、舞台が古代エジプトで面食らいました。娘に伝えると、「表紙がエジプトの衣装の女の子なんだから、エジプトが舞台でしょう。」と、しれっと言われ、自分の先入観に少し反省しました。
でも、帯付きの表紙を見ても、ぱっとエジプトの衣装だと認識できなくて…
舞台が古代エジプトで、登場人物の一人がハットゥシャ出身。私の頭の中では『天は赤い河のほとり』と同じ映像で想像しながら読みました。
読み進めるにつれ、当時の人の生活に思いを馳せながら、謎についても考えさせる。そんな物語でした。

ピラミッドを造っていたような時代のエジプトでは、製粉技術が未発達で、砂の入ったパンを食べていたんだって。

えー
そうなの?
今の時代でよかった

だから、当時の人は、歯が摩耗して歯周病で亡くなる人が多かったそうよ。
このお話でも、パンに砂が入っている描写があったね。

き・気が付かなった。
もう一度読んでみる!!
こんな人におすすめ
- 普通の現代ミステリー以外を読みたい人
- 歴史や古代文明が好きな人
- 「本格ミステリー+ファンタジー」の世界観を楽しみたい人
- 家族で読んだ本について話したい人 (私は、エジプトの小ネタを次女に聞かせました。)
ネタバレ感想
話の最初からファンタジー要素があり、「こんな世界観でミステリーという枠組みが成立するのか?」という思いでしばらく読み進めることとなりました。
しかし、本書の中の登場人物は当時の文化を髣髴とさせるような情景描写の中で生き生きと生活していて、現代との文化や風習、技術の違い等に思いを馳せながら読むことができました。
よく描写されているなと思う点は、
- 古代エジプトにおける死生観
- 当時の食事事情
- 当時であっても、違う国から来ている人は常識が異なること。
等です。
以前、「エジプト展」に行ったことがありますが、その時に学んだ知識(ミイラにする過程やその理由、信仰対象等)をフル動員して楽しみました。だけど、この本で得ることのできた生々しい生活感や宗教観などを持って、再度エジプト展に行くことができたなら、もっと楽しむことができると思いました。
家族で見に行った「エジプト展」を共通の話の中心として、娘とエジプトの生活や死生観について話をすることができました。遠い昔だからこそ、ロマンあふれる世界観として話がはずみます。
関連書籍
30年近くの時間を経て、アニメ化されますね。
連載当時、子どもながらにドキドキしながらベージをめくった漫画です。親から子どもに勧めるのも微妙なシーンがあるので、共有できない難しさがあります。
でも、コミックがボロボロになるまで繰り返し読んだ本なので、片隅に紹介させてもらいます。


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