「おカネって、どうやって手に入れるの?」
そんな素朴な疑問から、お金の仕組みや「働くこと」「価値とは何か」を考えられる一冊が『おカネの教室』です。
経済や投資というと、難しい専門用語や数字を思い浮かべる人も多いかもしれません。
でも、この本は中学生を主人公にした物語を通して、お金について考えていきます。
投資の具体的な方法を学ぶ本というよりも、「お金とは何か」「なぜお金が必要なのか」「働くとはどういうことなのか」を考えるきっかけを与えてくれる本です。
子どもと一緒にお金や社会について考えたい人にもおすすめします。
| タイトル | おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密 |
| 著者 | 高井 浩章 |
| 出版社 | 新潮社 |
| おすすめ度 | ★★★★★ |
| 読みやすさ | ★★★☆☆ |
| 学び度 | ★★★★★ |
| おすすめ対象 | 中学生・高校生・子どもの金融教育を考えている大人 |
本の概要
『おカネの教室』は、中学生を主人公に、お金の仕組みや経済の考え方を物語形式で学べる一冊です。
物語では、「そろばんクラブ」という活動に参加することになった中学生の男女二人が、飄々とした謎のクラブ顧問から出された「おカネを手に入れる方法」について考えを深めていきます。
「お金とは何か」
「働くとはどういうことか」
「価値とは何か」
「世の中はなぜ成り立っているのか」
こうしたテーマを、難しい専門用語をできるだけ使わずに考えていきます。
物語形式で進められる講義は、単に知識を得るだけではありません。
登場人物たちの考えを追いながら読み進めることで、自然と「自分ならどう考えるだろう」と立ち止まって考えたくなります。
投資について学ぶだけではなく、お金との付き合い方そのものを考えるきっかけになる本です。
読んで得られること
この本を読むと、次のようなことを考えるきっかけになります。
- お金は「目的」ではなく「道具」であるという考え方
- お金を手に入れる方法
- 仕事と社会のつながり
- 経済の基本的な仕組み
- 「働くこと」の意味
- 「価値」とは何か
- 将来のお金との向き合い方
- 社会の良い面だけでなく、暗い面について
特に印象に残ったのは、「投資を始めよう」という話だけではなく、「そもそも、なぜお金が必要なのか」というところから考えられる点です。
お金について考えていくうちに、仕事や社会、さらには福祉など、さまざまなテーマにも話が広がっていきます。
一度読んで終わりではなく、別の知識を身につけてからもう一度読むことで、新たな発見がありそうな本だと感じました。
対象年齢
おすすめは中学生以上です。
小学校高学年でも読めるかもしれませんが、経済や社会について考える内容も多いため、一人で読むには少し難しく感じる子もいるでしょう。
一方で、中学生以上であれば、学校で学ぶ社会科や公民などの知識と結びつけながら読むことで、より理解が深まるのではないかと思います。
親子で一緒に読みながら、「どう思う?」「これはどういう意味だろう?」と話し合う教材としてもおすすめです。
メリット・デメリット
メリット
- ストーリー仕立てなので読み進めやすい
- 経済初心者でも理解しやすい
- 「お金」だけでなく「仕事」や「社会」について考えられる
- 大人にとっても学び直しになる
- 親子でお金について話すきっかけになる
デメリット
- 投資の具体的な方法を知りたい人には向かない
- 数字や金融制度を詳しく学びたい人には物足りない可能性がある
- 小学生には少し難しく感じる内容もある
- 経済を理解するために歴史などの知識が必要だと感じる部分もある
「投資の始め方を知りたい」という人よりも、「お金や経済について、まず基本的な考え方を知りたい」という人に向いている本です。
家族で読んだ感想
読み始めた理由
WEB記事でおすすめされていたことがきっかけです。
「経済記者が自分の子どものために書いた本で、わかりやすい」という紹介を見て、子どもと一緒に読めたらいいなと思い、読み始めました。
大人になってからも、お金について一つのテーマをじっくり考える機会は、意外と少ないものです。
この本では、お金を手に入れる方法から、そのための仕事について、さらに世の中の明るい面や暗い面まで、一つ一つ考えながら話が進んでいきます。
物語としてもおもしろく、登場人物たちの考えを追いながら楽しく読みました。
読んで感じたこと
お金について考えていくと、仕事や社会の仕組み、福祉など、さまざまなテーマにつながっていきます。
特に、福祉という概念がどのように生まれたのかというテーマは、とても興味深く読みました。
一方で、私は歴史が苦手なこともあり、少し読み進めにくく感じる部分もありました。
経済について理解を深めるためには、歴史や近代史の知識も必要なのだと感じた出来事です。
この本を読むことで、お金を通して、世の中の良い面だけでなく、さまざまな問題や暗い面も含めて考えることができます。
一度読んで終わりにするのではなく、別のことを学んだ後にもう一度読むことで、さらに理解を深められる本なのではないでしょうか。
家族の本棚に置いておき、子どもが成長したときに読み返してほしい一冊だと感じました。
娘との会話
本の中で福祉について考える場面を読んだ後、娘とこんな会話をしました。

こういうわけで、福祉というものができたんだって

ふーん。でも、『小さな政府』で福祉って大きな力を持てるのかな?

……『小さな政府』?
聞いたことはあるものの、私はすぐに意味を説明できませんでした。
そこで、

『小さな政府』について教えてください
と聞いてみると、長女が説明してくれました。
学校の授業で習ったそうです。
この出来事を通して、学生のうちにこの本を読むことで、学校で学んだ知識と結びつき、より理解を深められるのではないかと感じました。
よくある疑問
Q. 投資の知識がなくても読めますか?
はい。投資経験がなくても問題ありません。
投資の具体的な方法を学ぶというよりも、「お金とは何か」という基本的なところから考えていく内容なので、金融や経済の知識がない人でも読みやすい本です
Q. 子ども一人でも読めますか?
中学生であれば、一人でも十分読めると思います。
小学生の場合は、保護者と一緒に読んで、わからない部分を話し合いながら読むと理解が深まりそうです。
Q. 大人が読んでも楽しめますか?
はい。大人にもおすすめです。
社会人になってから読むことで、「学生の頃に読んでおきたかった」と感じる人もいるのではないでしょうか。
子ども向けに書かれた内容でありながら、大人にとってもお金や経済について学び直すきっかけになる一冊です。
『おカネの教室』と『君のお金は誰のため』『お金の大学』の違いを比較
子どもの金融教育や大人の学び直し向けのお金の本は、どれを選ぶべきか迷ってしまいますよね。
特にネットやSNSで話題の『君のお金は誰のため(通称:君金)』や『本当の自由を手に入れる お金の大学』との違いが気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで、人気の類似本4冊の特徴や切り口の違いを分かりやすく比較しました。
| 書籍名 | 特徴 |
| 『おカネの教室』 | お金と社会の仕組みを物語で学ぶ |
| 『13歳からの金融入門』 | 金融や投資について体系的に学ぶ |
| 『13歳からの投資入門』 | お金の価値から投資までの流行に左右されない考え方を学ぶ |
| 『君のお金は誰のため』 | お金の価値観や人生観について考える |
| 『お金の大学』 | 大人向け。実践的なお金の知識を学ぶ |
「お金や金融について体系的な知識を身につけたい」という人なら『13歳からの金融入門』。
「流行りに左右されない、基礎的な投資の知識を身につけたい」という人なら『13歳からの投資入門』。
「お金の価値や人生について考えたい」という人なら『君のお金は誰のため』。
「大人向けの実践的なお金の知識を身につけたい」という人なら『お金の大学』。
そして、「お金を入り口にして、仕事や社会の仕組みについて考えたい」という人には『おカネの教室』がおすすめです。
おすすめしたい人
『おカネの教室』は、次のような人におすすめです。
- お金の仕組みを基礎から学びたい人
- 子どもと一緒にお金や金融教育について考えたい人
- 経済や投資を難しく感じている人
- 「働くこと」について考えてみたい人
- 「価値とは何か」を考えてみたい人
- お金と社会のつながりを知りたい人
- 子どもにお金について考えるきっかけを与えたい人
まとめ
本書は投資の具体的な方法を学ぶための本ではありません。
だからこそ、お金についてまだ何も知らない子どもや、経済を一から学び直したい大人が、「お金とは何だろう?」と考える最初の一冊としておすすめしたい本です。
親子で一緒に読んで、お金や仕事、社会について話し合ってみるのもよいと思います。
補足 記事内で紹介した書籍
『お父さんが教える 13歳からの金融入門』
金融の仕組みや、株取引の用語等が網羅的に理解できます。アメリカの制度を基準に書かれています。
『13歳からの投資入門』
お金の価値から投資までの、流行に左右されない知識を体系的に学べます。
『君のお金は誰のため』
物語形式で、問いからお金の価値について考えるきっかけになります。
『本当の自由を手に入れる お金の大学』
「お金がないと、選択肢の幅が狭くなってしまう。選択の幅を広げるために、お金の知識を身に着けよう」、というコンセプトで、お金についての網羅的な知識を得られる本。





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