どんな子に向いてる?|『13歳からの図解でなるほど地政学』レビュー

13saizukaitiseigaku 学びの本

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「どうして戦争はなくならないの?」

「となりの国ともめる原因は何?」

ニュースを見たり、歴史を学んだりすると、そんな疑問がわいてきます。

でも、疑問に思ったことをサッと調べたつもりでも、そもそも地名を聞いたときに、その場所をイメージできないこともあります。

『13歳からの図解でなるほど地政学』は、地図を見ながら、過去から現在までの国同士の関係を学べる一冊です。

結論から言うと、歴史マンガなどで近現代史の流れを少しでも知っている子や、大人の学び直しにイチオシの一冊です!

タイトル13歳からの 図解でなるほど 地政学 世界の「これまで」と「これから」を読み解こう
著者村山 秀太郎
出版社メイツ出版
おすすめ度★★★★☆
読みやすさ★★★☆☆
学び度★★★★★

『13歳からの図解でなるほど地政学』の概要

国と国の位置関係や、海に囲まれているか、陸続きなのかといった地理的な条件は、人や物の移動、経済活動、国同士の関係などに影響を与えます。

本書では、こうした複雑な関係を、世界地図を交えながらわかりやすく解説しています。

『13歳からの図解でなるほど地政学』を読んで得られること

本書を読むことで、次のようなことを学べます。

  • ランドパワーとシーパワーについてわかる
  • ヨーロッパが植民地支配を行った背景
  • アメリカが大国となった背景
  • ロシアが南へ進出しようとする地政学的な理由
  • なぜ中東では争いが絶えないのか
  • アジアでも海上での優位性をめぐって国同士の対立があること
  • 日本を取り巻く国際情勢

『13歳からの図解でなるほど地政学』の対象年齢は?中学生には難しい?

13歳~大人

書名に「13歳から」とありますが、歴史をあまり学んでいない状態で読むと、難しく感じるかもしれません。

近現代史について、漫画などで大まかな流れを知っていると、より理解を深められると感じました。

また、国際ニュースに関わる内容も多いため、大人の学び直しにもおすすめです。

『13歳からの図解でなるほど地政学』のメリット・デメリット

メリット

  • 地図を使って解説されているため、国の位置関係を把握しやすい
  • 一つ一つのテーマが見開き1~2ページ程度で、読み進めやすい
  • 地域ごとに時系列で解説されているため、興味のある地域から読むこともできる

デメリット

  • 一つのテーマは見開き1ページ程度が多いものの、時系列で話が進むため、地域によっては最初から読まないと理解しにくいところがある
  • 物語形式ではないため、地政学や国際情勢に興味を持って読み始めないと、最後まで読み進めるのが難しいかもしれない

もしストーリー形式で楽しく学ばせたいなら、類似本で紹介している『13歳からの地政学: カイゾクとの地球儀航海』のほうが向いているかもしれません

よくある疑問

Q.地理や歴史とは違いますか?

地理や歴史とは異なります。

地政学は、地理的な条件が国の政治や経済、安全保障などにどのような影響を与えるのかを考える学問です。

そのため、過去の出来事や国同士の関係を学ぶ場面では、歴史と重なる部分もあります。

Q.【難易度】歴史の予備知識がないと難しい?

文章自体は読みやすいですが、歴史の知識がないと難しく感じると思います。

タイトルには「13歳から」とありますが、大航海時代から第二次世界大戦までの大まかな歴史の流れを知らない場合は、「地政学的な視点」と「歴史上起こったこと」の両方を同時に理解する必要があります。

そのため、歴史をある程度学んでから読むほうが、内容を理解しやすいと感じました。
歴史マンガなどで近現代史の知識があると、受け取り方も違うと思います。

類似本との比較

概要おすすめする人
『13歳からの図解でなるほど地政学』(本書)世界地図を見ながら、各国の関係や歴史的背景、現在起こっている紛争について解説する国同士の位置関係を図で確認しながら国際情勢を学びたい人
『13歳からの地政学: カイゾクとの地球儀航海』高校生と中学生の兄妹が「カイゾク」と呼ばれる人物と対話しながら、ニュースや国際情勢について学ぶ国際情勢や国同士の関係を入門書として学びたい人
『13歳からの国際情勢』現役外交官が、日本の国防や他国の政治などを通して、世界で何が起こっているのかを解説する世の中で起きていることの背景を知りたい人

比較した『13歳からの国際情勢』についても、我が家で実際に読んで本音レビューを書いています。お子様の興味に合わせて選んでみてくださいね。

家族で『13歳からの図解でなるほど地政学』を読んだ結果

子どもたちの読んだ感触

次女
次女

文章を読めば対立関係はわかるけど、背景まで理解するのに疲れてしまう。情報が多すぎて難しい。

長女
長女

中学校で習った歴史の背景や関係がわかりやすかった。知識が固まった気がする。

このように、同じ本を読んでも、これまでの歴史の知識によって感じ方が違いました。

『13歳からの図解でなるほど地政学』を家族で読んでわかったこと

世界の勢力を考える「ランドパワー」と「シーパワー」

世界地図を見ると、海に囲まれた国と、他の国と陸続きになっている国があります。

こうした地理的な条件が国の力や行動にどのような影響を与えるのかを考えるときに出てくるのが、「ランドパワー」と「シーパワー」という考え方です。

大陸国家が持つランドパワー

他の国と陸続きの場合、国境を越えた人や物の移動がしやすい一方で、隣国との争いが起こるリスクもあります。

日本のような島国とは違い、隣の国へ移動するハードルが低いため、人や物の移動による経済活動が活発になりやすいという特徴もあります。

海洋国家が持つシーパワー

日本の歴史を見ると、海を越えて攻めてきた元軍を迎え撃った「元寇」があります。

海を越えて軍隊を移動させることの難しさを考えると、海に囲まれた日本は、陸続きの国とは違った地理的な条件を持っていることがわかります。

海洋国家には、海上交通や海洋資源など、海を利用することによるメリットがあります。

ロシアは不凍港を欲している

広大な国土を持つロシアでは、穀物やエネルギー資源などを輸出するうえで、港が重要な役割を果たしています。

ロシアには、年間を通して利用しやすい不凍港を確保したいという地政学的な事情があります。

ウクライナとの戦争について考えるときも、クリミア半島や黒海の位置がロシアにとって重要であることを、本書の地政学的な視点から考えることができます。

中東は複雑な歴史と国際関係が絡み合っている

中東は、長い歴史の中でさまざまな民族や宗教、国家が関わってきた地域です。

さらに、第一次世界大戦前後の列強による介入や、イギリスの「三枚舌外交」など、複雑な歴史的経緯も現在の中東情勢を理解するうえで重要な要素となっています。

一つの出来事だけでは説明できない複雑な問題だからこそ、歴史をさかのぼって考える必要があると感じました。

日本を取り巻く状況について

日本列島は、中国やロシアなど周辺国が太平洋へ進出することを考えるうえでも、地理的に重要な位置にあります。

経済面や安全保障面から見ても重要な場所にあるため、日本を取り巻く国際関係を注視することが大切だと感じました。

家族の感想

本書は、大航海時代によって人々の移動や経済活動が活発になった時代から話が始まります。

それ以前から、平地に住んでいるか、山林に住んでいるか、川の近くに住んでいるかなど、地理的な条件によって争いの種はあったと思います。

しかし、人の移動が活発になることで、地理的な条件と政治・経済・軍事などの関係を考える「地政学」という学問につながっていくことに気付かされました。

次女
次女

映画で、汽車に乗りながら国境を渡るシーンに憧れを持っていたけど、良いことばかりではないんだね

長女
長女

国境付近にいると、争いに巻き込まれやすい気がする

母

日本は海に囲まれていて、穏やかに過ごしているけど、移動技術がさらに発達したら争いに巻き込まれるかも

父

不安になる気持ちもわかるけど、知って予測することが大切だよ

これは、家族で読んだ感想です。

テレビや映画などで憧れるような、陸続きだからこそできる自由な移動も、見方を変えると、他国との国境が近いということでもあります。

地理的な条件にはメリットだけでなく、別の側面もあることに気付かされました。

また、日本やアジアでも国家間の緊張があることを知り、世界で起こっている出来事を自分とは関係のない話として捉えず、背景を知ることが大切だと感じました。

おすすめしたい人

  • 紛争に関する国際ニュースを見ても、背景がよくわからない人
  • 「なぜこの問題が起きているのか」を知りたい人
  • 問題の背景を知りたいけれど、地理的なイメージをするのが苦手な人
  • 近現代史を、地図や図解を使って学びたい人
  • 国際情勢を地理的な視点から考えてみたい人

まとめ

『13歳からの図解でなるほど地政学』は、「地図」という視覚的な情報を使いながら、国同士の関係や歴史的背景を考えられる一冊です。

テーマが見開きでまとめられているため、気になった地域やテーマを調べるように読むこともできます。

一方で、「13歳から」とありますが、歴史の知識が少ない状態では難しく感じる可能性があります。

実際に我が家でも、次女は「情報が多くて難しい」と感じた一方、長女は中学校で学んだ歴史と結びつけながら理解を深めていました。

地図を見ながら世界で起こっていることの背景を知りたい人や、近現代史を地理的な視点から学び直したい人におすすめしたい一冊です。

記事内で紹介した本

あわせて読む事で、地政学や国際情勢に対する理解が深まります。

『13歳からの地政学: カイゾクとの地球儀航海』

概要
高校生と中学生の兄妹が「カイゾク」と呼ばれる人物と対話しながら、ニュースや国際情勢について学ぶ


ストーリー形式で読みやすく、地政学を知る入口に最適な一冊

『13歳からの国際情勢』

概要
現役外交官が、日本の国防や他国の政治などを通して、世界で何が起こっているのかを解説する

  • 現在起きている紛争や政治問題の背景が中心
  • 世界の主要な地域ごとに国際情勢を学べる
  • 世界で起きているニュースの背景を知りたい人におすすめ

\『13歳からの国際情勢』レビューはこちら/

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