「国同士の関係ってどうやって決まるの?」
「地理や歴史を学ぶ意味ってなに?」
「地政学って学校で習わないけど、どんな内容?」
そんな疑問を持つ小中学生におすすめなのが、『こども地政学』です。
地政学の基本的な考え方から、日本と世界の関係まで、地理的な視点から学べる一冊。
この記事では、『こども地政学』を実際に読んで感じたメリット・デメリットや、親子で読むときに補足したいポイント、家族で読んだ感想を紹介します。
| タイトル | こども地政学 なぜ地政学が必要なのかがわかる本 |
| 著者 | 船橋 洋一 |
| 出版社 | カンゼン |
| おすすめ度 | ★★★★☆ |
| 読みやすさ | ★★★★★ |
| 学び度 | ★★★★★ |
『こども地政学』の概要
本書は「地政学」の視点から日本と世界の関係について考える本です。
国同士の関係を地理的な条件から読み解きながら、地政学の基本的な用語や考え方を学べます。。
ニュースの背景について親子で話すための知識の基礎作りに役立ちます。
『こども地政学』は、『ガクサン』4巻でも紹介されています。
「社会に興味を持つきっかけになる本」として登場するので、こちらも参考にしてみてください。
⇒『ガクサン』4巻個別レビュー
『こども地政学』を読んで学べること
- 地政学の基本的な用語や考え方がわかる
- 国同士の関係を地理的な視点から考えられる
- 日本を取り巻く国際情勢について考えるきっかけになる
- 歴史・外交・経済・軍事などを地政学的な視点から考えるきっかけになる
『こども地政学』の対象年齢
小学校高学年から
本書は見開き1ページで一つのテーマについて書かれています。
主に左のページが説明、右のページが地図や図解となっており、読み進めやすいです。
小学校高学年から読める内容ですが、地政学には普段聞き慣れない言葉も出てきます。特に前半の用語や国際情勢については、保護者が補足しながら読むと理解しやすいと感じました。

1日に見開き5ページくらいずつ読むと読みやすいと思います。
『こども地政学』のメリット・デメリット
メリット
- 物事が端的に書かれていてわかりやすい
- 各ページの見出しごとに読者に考えることを求める課題があり、理解が深まる
デメリット
- 説明が簡潔なため、補足がないと誤解する可能性がある
- 内容と見出しが不一致に感じる箇所がある
本書は説明が簡潔でわかりやすいというメリットもありますが、簡潔すぎて「こどもが読んで理解できるかな?」と思う点もあります。読んでいて、ここは保護者の解説が必要だなと感じたのは次の2点です。
日米安全保障条約についての説明が簡潔すぎる

日米安保条約で「アメリカは日本を守る義務がある」と簡潔に書かれていますが、
子どもが「攻撃されたらアメリカが必ず助けに来てくれる」と
単純に受け取ってしまう可能性があります。

私は別の本を読んで「必ずしも守ってくれるわけではない」と知っていたけど、
『こども地政学』だけだと、きっとアメリカが守ってくれるって思ってたな。
本書内で「日本が攻撃をされた場合は、アメリカが日本を守る義務がある」と説明されています。
この説明自体は日米安全保障条約の重要なポイントですが、実際の安全保障について考える場合、「アメリカが必ず日本を守ってくれる」とだけ理解するのではなく、条約上の義務やアメリカが実際にどのような対応を取るのかを分けて考える必要があります。
日米安全保障条約についても書かれている本もレビューしています
⇒中学生も読める?『13歳からの国際情勢』難易度レビューと大人の学び直し
⇒『13歳からの戦争学』レビュー|日本の安全保障や世界の紛争を考える
竹島について歴史的背景まで知りたい場合は補足が必要
竹島については、現在の状況だけでなく、領有権をめぐる主張や歴史的背景も含めて考える必要があります。
本書では限られたページで説明されているため、竹島問題について詳しく知りたい場合は、本書だけでなく、複数の資料を確認することをおすすめします。
『こども地政学』のよくある疑問
Q.地政学ってなんですか?
地理的な条件から政治や経済、軍事について考える学問です。
本書では、国同士の関係を地理的条件で理解することがグローバル化する世界を生きていくために役立つことだと書かれています。
Q.『こども地政学』を読むことで学校の成績向上につながりますか?
本書を読むだけで、学校の成績が直接上がるとは言えません。
しかし、歴史や地理とつながる地政学を学ぶことで、物事を考える視点が増え、社会科への興味関心が芽生えるきっかけ作りになります。
Q.『こども地政学』は何歳から読める?
小学校高学年くらいからがおすすめです。ただし、地政学の用語や国際情勢については、保護者が補足しながら読むと理解しやすいでしょう。
Q.『こども地政学』と『13歳からの地政学』の違いは?
『こども地政学』:地政学を学ぶ上で知っておくべきキーワードや国同士の関係について学べる
『13歳からの地政学』:物語を通して、地政学の視点から国同士の関係やこれからについて考える
『こども地政学』と類似本との違いを比較
| 本 | 特徴 | おすすめする人 |
| 『こども地政学』 | 地政学を学ぶ上で知っておくべきキーワードや、地政学の観点から国同士の関係を学ぶ | 地政学を初めて学ぶ小学生・中学生 |
| 『13歳からの地政学 カイゾクとの地球儀航海』 | 物語を通して、地政学の観点から、国同士の関係やこれからの考え方について考える。 | ストーリーを楽しみながら学びたい人 |
| 『13歳からの図解でなるほど地政学』 | 地図や図解を使って、地政学の考え方を学ぶ | 図解を使って地政学を学びたい人 |
比較した2冊についてもレビューしています。興味に合わせて見てください。
『こども地政学』を読んでわかったこと
ユーラシア大陸を「ハートランド」と「リムランド」で考える
本書ではユーラシア大陸の中心部(ロシア周辺)を「ハートランド」、その周辺の海に面した地域を「リムランド」として説明しています。
本書では肥沃な土地や凍り付かない海へのアクセスを求めて、ハートランドとリムランドの争いが起こりやすいことが書かれています。
その背景が、ハートランドは気候も厳しく、農業の行なえない土地が多いこと、リムランドは温暖で肥沃な土地が多いことであるとしています。

ロシアというと、寒いイメージも強いですが、穀物が多く産出されているイメージもあります。

気候や国の置かれた場所で、抱える問題が変わってくることがわかります。
日本で地政学が学ばれてこなかった背景
本書では、日本で地政学が学校教育に取り入れられてこなかった背景として、戦前・戦中の地政学が戦争と結びついていたことや、戦後のGHQによる影響について説明されています。

大人になって、初めて地政学という言葉を知りました。世の中の仕組みや繋がりを学びたい人に向いている学問だなと思いました。

教えちゃいけない学問があったことに驚き。
覇権国とNo.2の関係から世界情勢を考える
「なにをもって覇権国と呼ぶか」という定義は難しいですが、本書ではGDPや軍事費などを国の力を測る要素として挙げ、現在のアメリカを覇権国として説明しています。
また、次いで中国が力を伸ばしています。
現在、アメリカが中国と牽制しあうことが多いのは、この覇権をめぐる争いが理由であること。それ以前は時代の潮流によって覇権国とNo.2は入れ替わり、その都度競争が行なわれてきたことが書かれています。

国同士の関係は、順位や持っている力が影響するんだね。
家族で読んだ感想

『こども地政学』の中では「パワー」と「ルール」を握る国が強いことが書かれているけれど、これは今でいうとアメリカだよね。

そうだね。基軸通貨としてもアメリカドルが使われているし、発言力もあるよね。

このNo.1である覇権国家が入れ替わるのってどんな時なんだろう?

…難しい質問だね。
次女は『こども地政学』を読んで、これからの世界について考えてみたようです。
次女が感じた疑問は、私自身も感じていることでした。
本をきっかけに、同じ目線で世界について考えるようになったことがうれしく、家族で読む意味を改めて感じました。
おすすめしたい人
- 地政学を初めて学ぶ小学校高学年~中学生
- 国際情勢や世界の国同士の関係に興味がある子
- ニュースを地理的な視点から考えてみたい人
- 親子で社会について話すきっかけがほしい家庭
まとめ
『こども地政学』は、地政学の基本的な考え方から、日本と世界の関係について学べる本です。
要点が簡潔に説明され、イラストや図解も豊富なため、地政学を初めて学ぶ小学校高学年〜中学生にも読みやすい内容です。
一方で、説明が簡潔だからこそ、国際情勢や歴史的背景については、保護者が補足しながら読むとより理解が深まります。
地政学を知識として覚えるだけでなく、「なぜ国同士はこのような関係になっているのだろう?」と考えるきっかけを作りたい家庭に向いている一冊だと感じました。



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