「昔は本を読んでいたのに、最近はスマホばかり見ている。」「」そんな経験がある人が多いのではないでしょうか?
私たちは本当に”本を読めなくなった”のでしょうか?
本書は、読書離れと言われる時代の本当の姿を考える一冊です。
| タイトル | 本を読めなくなった人たち-コスパとテキストメディアをめぐる現在形 |
| 著者 | 稲田豊史 |
| 出版社 | 中央公論新社 |
読み始めた理由
書評家の三宅香帆さんがおすすめしている記事を見て、気になりました。帯に描かれている「本を読む必要はない」と豪語している女の子がさらに目を引きます。
概要
若者の読書離れと呼ばれて久しい昨今。本当に本を読まないのか、読めなくなっているのか、また別の理由があるのか。そんな書籍やテキスト(webメディアも含む)を取り巻く現状をデータをもとに解説しています。
帯の絵は、本を軽視する若者の浅はかさを描写しているように思わせる。だけど読了後、実は賢いのは若者なのではないかと考えてしまうような内容です。
ネタバレ無し感想
本は教養であり、娯楽である。情報を体系的に得ることができる。これは揺るぎのない事実であると実感している。けれど、この情報あふれる社会においては情報を得る最適解ではないのかもしれない。
そもそも、日本で多くの人が文字を読み、本を通じて学ぶ文化が広がった背景には、明治以降の教育制度の整備が大きく関係しています。身分制度が廃止され、「勉強をすればよい職につくことが出来る」という事が国民全てに当てはまるようになりました。国民全体が ”本を読むこと=人生を変える契機になる” という認識を持ち、本を読むことが推奨されるようになりました。
しかし、ものやサービスが飽和し、”本を読むこと=人生が大きく変わる”が結びつかない時代になりました。そんな現代で将来を見据えるために必要な事は「本を読むこと」だけではないのかもしれない。
そのように考えさせる本です。読書や情報との付き合い方について考えたい方はぜひ読んでみてください。
こんな人におすすめ
- 子どもに「本を読みなさい」というべきか迷っている親
- 読書週間がなくなったことに罪悪感を感じている人
- 昔は本を読んでいたのに、最近は読まなくなった人
- スマホ・SNS時代の情報とのかかわり方を考えたい人
ネタバレ感想
本書の中で示されるデータには驚かされるものが多かったです。特に数十年前から自主的に本を読む習慣のある人の比率が変わらないという点。若者の読書離れという観点から大きくかけ離れています。スマホの普及により今まで本を読んでいた人たちが本を読まなくなったのではなく、今まで読まざるを得なかった人たちが、スマホに流れていった。本が至上ではなく、そのほかの代替物が出てきただけ。なのだと思いました。
『13歳からの読解力』『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』等と並行して読むことで、本を読む意味、本の歴史、現在の読書の立場について考えを深めることができます。
著者が評論家の岡田斗司夫氏と対話する動画があります。そこでも表紙の絵が、まるで若者を批判しているように見えるよう、著者(もしくは出版社)が工夫していると述べていました。帯も含めてこの本を完成させている。それがまた新鮮です。帯はなくさないようにしましょう。
※最後に個人的な事
これから先、長女も次女も必要性や時間の都合により、本を読む事が減るかもしれません。でも、人生を豊かにする方法を模索できるようになるのが大切だと思います。


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